●孝の行い

97.令和8年8月1日(土) 施餓鬼会の一席
 演題「孝の行い」 住職(服部潤承)


 本日、お盆のお施餓鬼にお参り下さいました皆様、今日は。猛暑日35度以上の暑い中をおこし下さいまして、厚く御礼申し上げます。平素は何かとご法情を賜り感謝に堪えません。先達て、前住職の寺庭で私の母親が肺炎で急逝いたしました。細やかでしたが、通夜式・葬式をこの本堂で挙行いたしましたことを皆様にお知らせし生前中のご厚誼に対して母に成り代わり重ねて御礼申し上げます。このようなことで、今年のお盆行事は私にとって例年にないひときわ感慨深いものとなっております。
 お釈迦さまの「十大弟子」の一人で優れた超能力を持つ「神通第一」と言われた目蓮尊者は、亡きお母さんが餓鬼道に堕ちて苦しんでいるのを知り、救済方法をお釈迦さまに尋ねます。すると、お釈迦さまは修行している人に供養しなさいと諭します。目連尊者は教えに遵い供養いたします。すると亡きお母さんは忽ち昇天し安堵しました。これが盂蘭盆会(お盆)の起源です。関東地方では7月盆・関西地方では8月盆、関東では7月にお盆を済ませ8月には国民の休日に準じて長期の休暇となり、お里帰りでお盆参り、お墓参り、神事(夏祭り)・仏事(施餓鬼・棚経・地蔵盆)に参加したり、国内外の旅行に当てたりして有効に使われており、お盆休みが日本の一大行事になっております。
 本日のテーマ「孝の行い」の『孝』について考えてみます。
 「身体髪膚(はっぷ)これを父母に受く敢(あ)えて毀傷(きしょう)せざるは孝の始めなり」、両親から授かった大切な身体を傷つけないことが親孝行の第一歩、『孝』の始めであります。自死・喧嘩・戦争などは不幸の極みで、自分を傷つけるだけでなく親をも傷つけているのです。健康であることが大事としています。
 「孝は仁(思いやり)を為す本である」、「孝は重要な美徳(立派な行いや心がけ)である」、「孝は徳の根本である」、「孝は両親が負った負担に報いることである」、「孝は子供の義務であり、秩序ある社会の基礎である」、「良き社会を築くことである」、「忠(国家・主君に仕える)より孝が貴いのである」、「病気・死に際しては悲しみを示し、死後は埋葬して祭祀を行うことである」、「死後、3年間改めないこと」で『日本後紀』に桓武天皇が崩御された年に、元号を延暦から大同に改元しました。一年の内に改元したことが『孝』に反していると言われています。『孝』に於いて最も重要なことは、両親を称えて行われる埋葬及び服喪の儀礼をすることであります。
 「百善孝を先ずとす(百の善い行いの中で、孝が最も重要である)」とあり、次にあげます実例を参考に実践することを勧めます。
 @あらゆる面で両親が快適であることを確認する。
 A両親の好みを考慮に入れる。
 B贈り物や恩恵を与える。
 C礼儀正しく適切な作法をとる。
 D敬語を使う。
 E年長者を上座に坐らせ、敬意を表す場所設える。
 F年長者を称えて誕生日やその他の行事を祝う。
 G年長者への自発的かつ公的な奉仕をする。
 H口答えせずに年長者の話を聞く。
 I個人的及び家族の問題について年長者に相談する。
 J年長者にお辞儀や挨拶をする。
 K物品やサービスの分配において年長者に優先権を与える。
 L敬意を持って年長者を悼み埋葬する。
 M先祖を祈念し、先祖に供物を捧げる。
 以上、『孝』の字は『老』を上に『子』を下にあって『子』が『老』を支えることを表わしています。「親孝行したい時には親はなし」、『孝』に気づいた時に、親は亡くなっていましても、E番の敬意を表す場所(お墓)を設え、L番の故人に敬意を払い追悼し、M番の先祖を追善供養し供物を供えることは、いつでも出来るものと思います。    



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